自然塗料の種類と木材への塗り方(オイルフィニッシュ)/木の呼吸を妨げず、木材本来の色を引き出すために
 
・ 自然塗料とは
・ 荏油(えごま油)
・ 亜麻仁油(あまに油)
・ 煮亜麻仁油(ボイル油)
・ 桐油(きり油)
・ 木材への塗り方(オイルフィニッシュ)
・ 乾燥時間と塗布面積
・ 乾性油と半乾性油、不乾性油について
・ 酸化を防ぐために
・ 自然塗料に関連した油(オイル)と蝋(ワックス)
・ 最後に
 
 
 
◆ 自然塗料とは
 
自然塗料とは木の呼吸を妨げず、木材本来の色を引き出す塗料です。
天然の材料で作られていますので、シックハウス症候群の予防にも注目され、安心してお使いいただけます。
主に荏油(えごま油)、亜麻仁油(あまに油)、煮亜麻仁油(ボイル油)、桐油(きり油)が使われ、木材の保護や艶出し、耐久性や撥水性、防虫効果などの利点があります。

 
 
荏油(えごま油)
荏油(えごま油)

シソ科のエゴマという植物から採れる油で、原産国は主に中国やインドです。主成分はリノレン酸、リノール酸、オレイン酸で全体の90%を占めます。
特にリノレン酸は約60%含まれており、代表的な乾性油です。(ヨウ素価193~208)
木材の保護、艶出しとして使用されている歴史ある油で、耐水性や殺菌効果に優れ、シックハウス症候群の予防にもなります。昔から日本の木材に用いられており、現在でも古木材や古民家のお手入れにお使いいただける自然塗料としておすすめしております。
気温が下がりますとロウ分が出ますので、濁った感じになります。
→ 荏油は、こちらから購入できます
 
 
亜麻仁油(あまに油)
亜麻仁油(アマニ油)

アマ科の亜麻という植物の種子から採れる油で、原産国は主にアメリカやカナダです。
主成分はリノレン酸、リノール酸、オレイン酸で全体の90%を占めています。
特にリノレン酸は約50%含まれており、代表的な乾性油です。(ヨウ素価163~190)
乾燥しますと水・油に不溶な黄色い膜を形成し、洋風の家具、バイオリン、番傘、提灯などに使用されています。
食用のものよりロウ分が多いため、木工用の亜麻仁油(あまに油)は粘度が高くなります。
乾燥時間が長いのが欠点ですが、それを補うために加工された煮亜麻仁油(画像下)があります。
乾燥すると黄色く変色します。
→ 亜麻仁油は、こちらから購入できます
 
 
煮亜麻仁油(ボイル油)
煮亜麻仁油(ボイル油)

亜麻仁油を真空で300℃近くで加熱したものが煮亜麻仁油です。
亜麻仁油よりも乾燥が早くなり、耐水性、耐光性、耐アルカリ性が上がります。
煮亜麻仁油は塗料や印刷インキとして使用されています。
→ 煮亜麻仁油は、こちらから購入できます
 
 
桐油(きり油)
桐油(きり油)

アブラキリという植物の種子から採れる油で、原産国は主に中国です。
主成分はエレオステアリン酸で全体の80%を占めます。(ヨウ素価160~173)
このエレオステアリン酸が酸素とよく反応し、ヨウ素価は亜麻仁油や荏油と比べて低いものの乾燥速度は乾性油の中でも最も早いと言えます。
粘度が高く、塗りにくいのが欠点ですが、テレピン油などと混ぜると塗りやすくなります。
乾燥すると木材の表面に硬い膜を形成し、防水性、耐久性に優れていますので、ウッドデッキのような屋外の木材への塗装におすすめです。
桐油には毒性があるものもあり、食べることはできません。
→ 桐油は、こちらから購入できます
 
 
 
◆ 木材への塗り方(オイルフィニッシュ)

※ 初めて使用される場合は必ず同じ木材の目立たないところで試し塗りをして、色や仕上がりを確認して下さい。
※ 塗装中は十分に換気をしてください。
 
オイルフィニッシュ1-木材の表面をサンドペーパー(紙ヤスリ)で整えてください。サンドペーパーの番手は100番から240番を使い、木材の種類によって番手を変えてください。 オイルフィニッシュ2-木材の表面についたゴミやホコリ、サンドペーパーの削りカスなどを綺麗に取り除いてください。
木材の表面をサンドペーパー(紙ヤスリ)で整えてください。サンドペーパーの番手は100番から240番を使い、木材の種類によって番手を変えてください。 木材の表面についたゴミやホコリ、サンドペーパーの削りカスなどを綺麗に取り除いてください。
オイルフィニッシュ3-塗る部分と塗らない部分がある場合は、見切り部分にマスキングテープを前もって貼っておいてください。マスキングテープと木材の表面に隙間ができないよう、しっかり押さえて下さい。 オイルフィニッシュ4-自然塗料はロウ分が多く、粘着性がありますので、油を使う前には容器をよく振って下さい。そして、古着や古布を切ったウエスに油を染み込ませてください。
塗る部分と塗らない部分がある場合は、見切り部分にマスキングテープを前もって貼っておいてください。
マスキングテープと木材の表面に隙間ができないよう、しっかり押さえて下さい。
自然塗料はロウ分が多く、粘着性がありますので、油を使う前には容器をよく振って下さい。
そして、古着や古布を切ったウエスに油を染み込ませてください。
ウエスは繊維クズが出ないものをお使いください。
オイルフィニッシュ5-木目に沿って出来る限り途中で止まることなく擦り込むように油を塗って下さい。そして全体に薄く伸ばして下さい。 オイルフィニッシュ6-表面に残った余分な油は拭き取って下さい。
木目に沿って出来る限り途中で止まることなく擦り込むように油を塗って下さい。
そして全体に薄く伸ばして下さい。
基本的に1回塗りで十分な仕上がりになります。
表面に残った余分な油は拭き取って下さい。
油を塗り過ぎると乾きにくくなります。
オイルフィニッシュ7-マスキングテープを取れば終了です。 オイルフィニッシュ8-使用後のウエスはそのまま放置しますと自然発火する恐れがありますので、水に浸けて速やかに処理して下さい。
マスキングテープを取れば終了です。
表面に水分が残ってしまいますとシミの原因となりますので、すぐに拭き取って下さい。
使用後のウエスはそのまま放置しますと自然発火する恐れがありますので、水に浸けて速やかに処理して下さい。
 
 
◆ 乾燥時間と塗布面積
 
乾燥時間は季節によって異なりますが、48時間以上かかります。
木の種類(松などの油分の多い木など)によっては乾燥まで時間がかかる場合がございます。
寒い季節は乾燥に時間がかかりますが、暑い季節でも湿気が多い場合は乾燥に時間がかかりますので、ご注意ください。
塗布面積は150mlで畳約3枚分となります。
刷毛(ハケ)などを使って塗った場合は厚塗りになる場合がございますので、ウエスで余分な油をふき取って下さい。表面が乾燥していましても、木の内部が乾燥していない場合がございます。テレピン油やリモネンなどを混ぜますと内部の乾燥が早まる場合がございます。
 
 
◆ 乾性油と半乾性油、不乾性油について
 
乾性油とは空気に触れるとゆっくり酸化して固まる油で、自然塗料の荏油や亜麻仁油、桐油がこれに当てはまります。
反対に不乾性油とは空気に触れても固まらない油で、食用油に用いられるオリーブオイルや菜種油がこれに当てはまります。
油脂100g中に含まれるヨウ素の数をヨウ素価といい、乾性油はヨウ素価が130以上のものを指し、不乾性油は100以下のものを指します。ヨウ素価は多ければ多いほど酸素と結びつきやすくなるため、ヨウ素価の高い油は空気に触れると固まりやすいということになります。
乾性油と不乾性油のちょうど中間、ヨウ素価が100から130のものは半乾性油といい、空気に触れて酸化はするのですが、完全には固まらない油で、有名な油ではゴマ油が半乾性油に当たります。
 
 
◆ 酸化を防ぐために
 
木工用塗油として用いられる荏油、亜麻仁油、桐油などの乾性油は空気に触れると酸化します。
油の保管・保存中にその酸化を防ぐためには、油が空気に触れることを極力避けなければなりません。
自然塗料の多くは瓶で販売されていますが、開封後は空気に触れる面積が大きくなるため、栓を閉めていましても瓶の中の油は徐々に酸化していきます。
乾性油が酸化しますと、酸化臭がするだけでなく、フタが固まって開かなくなるなど不都合も生じます。
 
油(オイル)の酸化について-未開栓時 油(オイル)の酸化について-保管時

このような酸化を防ぐために、乾性油をお買い求めになられる際は酸化を防止する工夫を施した容器の商品を選ばれるほうが良いでしょう。
最近ではスクイズタイプやエアレスポンプタイプの容器で酸化を防止するものが出てきております。
 
酸化防止容器1 酸化防止容器2

【 スクイズタイプの酸化防止容器 】
二重剥離構造になっており、開封後も油が空気に触れずに長期保存ができる容器です。
柔軟性があるため適度にスクイズ(搾りだし)することができ、中身が減っても外殻は元に戻るため、通常の容器と同じく立てて保管ができます。
→ スクイズタイプの酸化防止容器に入った木工用塗油はこちらから購入できます

 
エアレスポンプ1 エアレスポンプ2
 
【 エアレスポンプタイプの酸化防止容器 】
二重剥離構造になっており、開封後も油が空気に触れずに長期保存ができる容器です。
油が出たあとに空気が中に入らないエアレスポンプになっていますので、油を空気に触れることなく最後まで使い切ることができる容器です。
→ エアレスポンプの酸化防止容器について詳しくはこちらです。(エアレスポンプ容器に入った木工用塗油もこちらから購入できます)

 
 
◆ 自然塗料に関連した油(オイル)と蝋(ワックス)
自然塗料に関連した油(オイル)と蝋(ワックス)を紹介いたします。
 
クルミ油(ウォールナッツオイル)
クルミ油(ウォールナッツオイル)
 
クルミの種子から得られる植物油で、原産国は主にアメリカや中国です。
主成分はリノール酸、リノレン酸、オレイン酸で全体の90%を占めます。
特にリノール酸が約60%含まれている半乾性油です。(ヨウ素価123~166 ヨウ素価によっては乾性油になります)
クルミ油は主に食用として使用されていますので、蕎麦(そば)打ち道具の延し棒(麺棒)や延し板のお手入れ、木製のスプーン、お箸、食器類、お子様が舐める可能性のある積み木などの木工製品への塗装におすすめです。
乾燥してから2度塗りなおします。
→ クルミ油はこちらから購入できます
 
 テレピン油(松根油)
テレピン油(ガムテレビン)

マツ科植物の材またはバルサムを水蒸気蒸留して得られます。ほかにクラフトパルプ製造の副産物としても得られます。主成分はテルペン系炭化水素です。
無色透明から微黄色の液体で、特異臭があります。引火点が密閉状態では35度と低いので注意が必要です。(昔はガソリンの代わりに使いました)
桐油や煮亜麻仁油など粘度のある油に混ぜると塗りやすくなります。
→ テレピン油はこちらから購入できます
 
椿油(つばき油)
椿油(つばきあぶら)

椿(ヤブツバキ)の種皮を除いた種子から得られる植物油で、原産国は主に日本や韓国です。
主成分はオレイン酸で、全体の約85%を占めている不乾性油です。(ヨウ素価78~83)
微黄色から淡黄色の液体で特異な臭いがあります。
空気に触れても固まらない不乾性油ですので、その特性を活かして日本刀など文化財の防錆剤、刃物やカンナなどの手入れ油、将棋の駒や将棋盤、碁盤の手入れ油としておすすめです。。
→ 椿油(つばき油)はこちらから購入できます
 
 
蜜蝋(ミツロウ)
蜜蝋(ミツロウ・ビーズワックス)
 
蜜蝋とはミツバチが巣を作る際に分泌する蝋のことで、原産国は主にアフリカですが世界各国でとれます。
ワックスとはもともとこの蜜蝋のことを指し、古代エジプト(紀元前4200年)ではミイラの保存に、紀元前100年には灯明、5~15世紀には通貨として人の歴史に深く関わってきました。
今でも教会のキャンドル(洋ロウソク)として蜜蝋の使用を規定しているところもあります。
特有の乳化性、粘りなどを生かし、化粧品や医薬品によく使用されています。
木材に使用されると、艶出し、防腐作用などの効果があります。融点は62℃から67℃です。
→ 蜜蝋(ビーズワックス)はこちらで購入できます
 
イボタ蝋
イボタ蝋
 
「いぼた」の木(モクセイ科)に寄生するイボタカイガラムシが分泌する蝋を精製したものです。
桐タンスなどの桐材によく使用され、桐材にはイボタロウというほど相性が良いです。
非常に木材に塗りやすく、柔らかい木材に使用するのがおすすめです。
高級なロウソクの原料のほか、ふすま・障子など建具敷居のすべり剤、碁石の艶出し剤としても用いられます。
融点は約80℃です。
→ イボタ蝋はこちらで購入できます
 
白蝋(ハゼロウ)
白蝋(ハゼロウ)
 
「はぜ」の実の薄い外皮に含まれた中果皮を圧搾あるいは抽出して得られる植物性油脂を木蝋(モクロウ)と言い、その木蝋を晒して漂白したものが白蝋(ハゼロウ)です。
蝋(ロウ)という名前が付いていますが、成分自体は脂肪酸のグリセリドですので、蝋ではなく油脂の範囲に入ります。
海外でもジャパンワックスの名前でよく知られ、原産国は日本と中国になります。
昔から力士の鬢付け油、和ろうそくとして用いられ、木材の艶出しにも用いられます。
→ 白蝋(ハゼロウ)はこちらで購入できます
 
ライスワックス(米糠蝋)
ライスワックス(米糠蝋)
 
ライスワックスとは米糠(こめぬか)から油を製造する際に混ざっているロウ分を抽出し精製したもので、国産のワックス資源として最も期待でき、安定供給も見込まれます。
化粧品、みがき剤、キャンディへの練りこみ、塗料用のワックスとして幅広く使用されています。
融点は75℃から80℃です。
→ ライスワックス(米糠蝋)はこちらで購入できます

 
◆ 最後に
 
当社は大阪・船場で70年以上、油(オイル)・蝋(ワックス)を商っております。木工用の塗油につきましても長年にわたり高品質なものを油の専門業者として見極め、皆様におすすめしております。
よろしければ当社オンラインショップ「あぶら屋ヤマケイ」もご覧ください。
 
 
   
 
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