「乾く油って、乾かない油と何が違うのだろう?」
「木材に塗るオイルはどれを選べばいい?」
そんな疑問をお持ちの方へ。
乾性油は、木材の保護・艶出し・耐久性向上に欠かせないオイルですが、種類によって仕上がりや使い勝手は大きく異なります。
本記事では、乾性油の基本から種類ごとの特徴、用途別の選び方までをわかりやすく解説します。
乾性油とは
乾性油とは、空気に触れた油が酸化した際に乾いて固まる油のことです。
この「固まる」という特性により、木材表面に保護膜を形成し、
- 耐水性
- 耐久性
- 防汚性
を高めることができます。
この特性を生かして木材の保護として木工用塗料、ペインティングオイルの主成分、鉄のさび止めなどに広く使用されています。
【用途別】おすすめ乾性油
乾性油は目的に応じて選ぶのが失敗しないポイントです。
屋外・ウッドデッキに
桐油(とう油)
- 防水性・耐久性が非常に高い
- 雨風に強い
👉「とにかく長持ちさせたい」ならこれ
食器・カトラリーに
クルミ油
- 食用グレードで安全性が高い
- 自然な仕上がり
👉スプーン・まな板・そば打ちの棒などに最適
初心者・扱いやすさ重視
亜麻仁油
- サラッとして塗りやすい
- 乾性油の中でも定番
👉迷ったらまずこれ
速乾性を求めるなら
煮亜麻仁油 / 脱水ひまし油(DCO)
- 乾燥が早い
- 作業効率が良い
👉DIY・業務用途向け
ヨウ素価とは
その油が乾性油であるかどうかはヨウ素価(IV;Iodine Value)という指標で分類します。
ヨウ素価とは簡単に説明すると油の酸化しやすさを数値化したもので、数値が高いほど酸化しやすい油となります。油の中の不飽和脂肪酸の二重結合の数に比例します。決してヨウ素が油の中に入っているわけではありません。
油を構成する脂肪酸の中には二重結合を持つ不飽和脂肪酸というものがあり、その二重結合が化学的に不安定であるためヨウ素と結合します。
ヨウ素価:油脂100gに対して付加することができるヨウ素のg数
一般的にヨウ素価が130以上のものを乾性油、100〜130のものを半乾性油、100以下のものを不乾性油といいます。
乾性油の種類
油の中でヨウ素価が130以上である乾性油については、以下のものがあります。
| 名称 | ヨウ素価 |
|---|---|
| 荏油 | 185〜205 |
| 亜麻仁油 | 170~195 |
| 煮亜麻仁油 | 170~195 |
| ローズヒップ油 | 170〜190 |
| 桐油 | 160〜173 |
| 月見草油 | 145〜170 |
| 紅花油 | 140〜160 |
| 脱水ヒマシ油 | 140〜144 |
| ボラージシード油 | 130〜155 |
| ザクロ種子油 | 130〜170 |
| グレープシード油 | 128〜150 |
| クルミ油 | 123〜166 |
木工油の種類
乾性油の中でもこれからご紹介する油は、自然塗料として木材の保護や艶出し、耐久性や撥水性、防虫効果などの利点があるため古くから木工油として使用されており、弊社でも多品目を取扱っております。

亜麻仁油
アマ科の亜麻という植物の種子からとれる油。
代表的な乾性油で、木工油のなかではサラッとしており塗りやすく初心者にもおすすめ。

煮亜麻仁油
亜麻仁油を300℃近くで加熱したものが煮亜麻仁油です。加熱することにより乾燥が早く、作業効率が高いのが特徴。

荏油(えごま油)
シソ科のエゴマという植物の種子からとれる油。
こちらも亜麻仁油と同様に代表的な乾性油で古くから木材の保護や艶出しに優れる。

桐油(きり油・とう油)
アブラキリという植物の種子からとれる油。
非常に強固な塗膜を形成し、防水性、耐久性に優れる。
ウッドデッキなどの雨風に晒される屋外用途に最適。

クルミ油(胡桃油・ウォールナッツ油)
クルミの種子からとれる油。
弊社取扱いのクルミ油は食用グレードで安全性が高く、木のスプーンや蕎麦打ちの棒などに使用されることが多い。

椿油(つばき油)
ヤブツバキの種子からとれる油。
乾性油ではありませんが、酸化しにくく防錆用途に使用。
刀や将棋の駒や盤などのお手入れとして最適。

脱水ひまし油(DCO)
不乾性油のヒマシ油を主成分のリシノール酸を脱水反応で共役酸に変化させることで乾性油化したもの。
アマニ油よりも速乾性があり、高耐久・高性能。
油は食用や化粧品用だけでなく、酸化により固まる特性を生かして木材に塗る木工油という使い方もあります。
用途に合わせて選ぶことで、木材の美しさと耐久性を最大限に引き出すことができます。
自然塗料である木工油についてご興味を持っていただけましたら、以下の「自然塗料となる乾性油の種類と木材への塗り方」の記事もおすすめです。
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