化粧品のパッケージの裏の表示を見るとよく見かける「グリセリン」の文字。
グリセリンがどういった性質を持ち、どういった用途に使用されているかについてご紹介します。
グリセリンとは?
グリセリンは、1779年にスウェーデン人のカール・ヴィルヘルム・シェーレがオリブ油加水分解物の中から発見しました。
化学式はC3H8O3の3価のアルコールです。植物油脂や動物油脂から製造される天然由来の成分として幅広い分野で日々使われています。
物理的特性としては、水に溶けやすく無色無臭の液体で甘みがあります。また、高い粘度を有していますが、温度や濃度により粘度は変わってきます。
グリセリンにある3つの水酸基(-OH)にそれぞれ脂肪酸がエステル結合したものがトリグリセリドであり、それらは一般的に油脂と呼ばれているものです。
グリセリンの効果は?
吸湿性と保水性
グリセリンのような多価アルコールは、吸湿性や保水性が高く化粧品においては主要な成分として使用されています。また、多価アルコールの中でもグリセリンは吸湿性と保水性は1番高いものになっています。
グリセリン>プロピレングリコール(PG)>1,3-ブチレングリコール
私たちの皮膚には常在菌として様々な菌が存在していますが、その中でも表皮ブドウ球菌は人の皮脂や汗を餌としてグリセリンを生成し、肌を保湿して乾燥から守る働きをしています。
肌に存在する成分であるため、グリセリンが原因によるアレルギーは起こりににくく使いやすい成分といえます。
温感作用
グリセリンは、少量の水と混ざることで温感作用を発揮します。
温感作用を期待した製品は、グリセリンが成分表示の最初に表示されているものがほとんどであり、パックやクレンジング、マッサージなどに使用されています。
グリセリンの用途
化粧品分野での役割
先にご紹介しましたように吸湿性・保水性があることから保湿効果が高く、化粧品のベースを作る水性成分の基剤として広く様々な製品に使用されています。
食品分野での役割
グリセリンは水分活性を低下させ微生物の繁殖を抑えるため、食品を日持ちさせる保存料と使用されます。
また、乾燥食品の保湿剤、チューインガムの軟化剤や、増粘安定剤などに使用されています。
医療分野での役割
吸湿性・保水性があることから軟膏基剤として使用されています。
また、グリセリンを直腸内へ注入することで、腸管壁から水を吸引し、腸壁への刺激により蠕動を促進することで排便を促す作用により浣腸剤としても使用されています。
グリセリンとその他の保湿成分との違い
保湿成分は大きく分けて4つの種類に分けられます。
保湿方法 | 成分例 |
---|---|
水分をつかむ | グリセリン ブチレングリコール アミノ酸 |
水分を抱え込む | ヒアルロン酸 コラーゲン |
水分を挟み込む | セラミド レシチン |
水分が蒸発しないようにふたをする | スクワラン ホホバオイル ワセリン |
弊社で取扱いのあるグリセリン
弊社では濃グリセリンと食添グリセリンの2種類のグリセリンを取り扱っております。
濃グリセリン「濃グリセリン RG・コ・P」
化粧品、グリセリンソープ(宝石石鹸)、カレイドスコープ(万華鏡)の材料のほか、工業用の様々な用途に用いられている国産植物性「濃グリセリン」です。
500g(瓶)と22kg(一斗缶)の取り扱いがあります。
食品添加物用グリセリン「食添グリセリン‐S」
食品添加物としてご使用可能な純グリセリン分が95%以上(分析表の代表的数値99%以上)の国産植物性「食添グリセリン」です。
22kg(一斗缶)のみの取り扱いです。
山桂産業株式会社は、大阪・北船場にて1946年創業の油脂と蝋の卸問屋です。
ECサイト「あぶら屋ヤマケイ」にて多種多品目にて販売もしております。
また、OEM・ODMサービスもしており、開発受託や製造受託もしておりますので、お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせください。